すっぽんの生き血にひそむ危険…安全に摂取するには?

すっぽんは捨てるところが少なく、血液までもが健康に良いとされています。
しかし、加熱しないまま飲むすっぽんの生き血は、安全性に問題があるのでは?と思う方もいるでしょう。
まずはすっぽんの生き血がもつ効能から、生き血の成分を安全に摂る方法まで、すっぽんの生き血について幅広くご紹介します。

すっぽんの生き血とは?

すっぽんは、捌く手順として一番最初に首を切り落としますが、その際に生き血が得られます。
一匹から数十mlしかとれず、とても貴重です。
酸化しやすく保存が難しいため、生のまま摂ろうと思うと、専門店などで捌きたてのものを飲むしかできません。

生き血に含まれる成分

鉄分はもちろん、亜鉛、セレン、アルギニンなどのミネラルやアミノ酸が豊富です。
他にも、カルシウムやビタミン類も含まれています。
すっぽんの生き血の成分が詳しく研究されたことはありませんが、とても栄養豊富であることがうかがえます。

生き血の効能

すっぽんの生き血は、顔面神経痛や微熱、脱肛、骨関節結核、貧血などに効果があるとされています。
また、男性の精力増強や滋養強壮、女性の美容にもよいといわれています。

生き血の飲み方

すっぽんの生き血はそのままでは飲みにくいため、専門店などではお酒やオレンジジュースなどに割って出されることがほとんどです。
そうすることで酸化を防ぎ、血生臭さや鉄臭さが緩和され、飲みやすくなるのだそうです。

危険性

たくさんの効果や効能を持つすっぽんの生き血ですが、そのまま飲むという行為には、どのような危険性があるのでしょうか?
 

食中毒

2007年には、すっぽんの生き血が原因で食中毒が起こった事例があります。
川越市のすっぽん専門店を利用した14人のうち、8人が下痢や嘔吐などの症状を訴え、便からサルモネラ菌が検出されました。
食中毒を発症した人は、すっぽんの生き血を飲んでいたということです。

サルモネラ菌は、健康な成人では重篤化することは稀ですが、高齢者や子供の場合、命にかかわることがあります。
すっぽんからはサルモネラ菌の他にも、コレラに似た症状を引き起こすナグビブリオとよばれる菌が検出されたこともあります。

天然物のすっぽんはとくに危険性が高いのは当然ですが、養殖物であっても高齢者や子供に飲ませることはおすすめできません。

肝炎

すっぽんの生き血には、肝炎ウイルスが潜んでいることもあります。
肝炎ウイルスは加熱によって死滅させることが可能ですが、生き血のように生で摂取すると、肝炎を引き起こす危険性があるため、注意が必要です。

東京都福祉保健局も、生き血に限らず、生ですっぽんを食べることは危険であると警鐘を鳴らしています。

生き血の成分を安全に摂取したいなら

すっぽんの生き血には、さまざまな栄養素や効果があります。
でも、病原菌やウイルスが不安…という方には、生き血をそのまま飲むのではなく、すっぽんの血液を使用したサプリメントがおすすめです。

すっぽんの肉や血を粉末化して、カプセルなどにしたサプリメントが多数販売されています。
また、生き血のエキスを使用したドリンクもあります。
これなら、飲みにくさや血を飲むという抵抗感を感じることもありませんし、安全に生き血の効果を得ることができます。
いろいろな商品をチェックしてみましょう。