すっぽんの食べられない部位はどこ?

生き血や内臓までもが食べられることから、捨てるところが少ないといわれるすっぽん。
その数少ない食べられない部位を、捌くときの注意点と合わせてご説明します。

すっぽんの食べられない部位

基本的に、すっぽんの中で食べられないといわれているのは以下の4つの部位です。

手足の先には、硬い爪がついています。
切れ味の良い包丁で、なるべく根本から切断しましょう。

甲羅

甲羅自体には骨があり、硬くてそのまま食べることはできません。
専門店などでは甲羅も鍋に入れられて出てくることがありますが、とてもよい出汁が出る上に、甲羅に残った可食部をしゃぶって食べることができるためです。

ちなみに、甲羅の周りにある、エンペラと呼ばれる部分は食べることができます。
ぷるぷるとした食感で柔らかく、コラーゲンが豊富なため美容を気にする女性に人気です。

胆のう

胆のうは、別名「苦玉」と呼ばれ、苦味が強いため基本的には食用に適しません。
肝臓にくっついていて、濃い青色でぶどうのような形状をしており、分かりやすいかと思います。
潰してしまうと他の部位に苦味や臭みが移るため、胆のうから少し離れた部分に包丁を入れ、注意深く分離しましょう。

ちなみに、専門店では胆のうは噛まずに丸飲みすることを勧められることがあります。
美容や健康に良いとされているので、勇気のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

膀胱

膀胱は、臭みが強く不味いため、食べることができません。
胆のうと違って、すっぽんを捌いた経験があまりない人には見分けがつきにくい臓器です。

甲羅を分離すると大きな黒い臓器が2つ現れますが、それは肺です。
肺をめくって下半身の臓器をより分けていき、白い袋のようなものが見えたらこれが膀胱です。

膀胱には尿が詰まっていますので、傷をつけないよう、慎重に根本から包丁の刃先を入れて切り取ります。
残尿がない場合は縮んでいて分かりにくいですが、排尿器官から尿道をたどると分かりやすいです。
もしも破ってしまったときは、すぐに流水でよく洗い流しましょう。

取り除いたほうが良い部分

食べられないわけではありませんが、取り除いたほうが味や食感が良くなるといわれているのが、薄皮です。
薄皮は甲羅とエンペラ、肉を覆っており、泥と直接触れ合う部分のため、臭みが強いのです。

捌いたあと、沸騰寸前のお湯でさっと湯がくと、緑色の薄皮がめくれてきます。
冷めて剥がれにくくなる前に、手早く丁寧に剥がしていきましょう。

食べられない部位の利用方法

食べられずに破棄されることの多い部位でも、実は他に利用方法があります。

例えば、すっぽんの胆のうは、古くから漢方薬として重宝されてきました。
血を清め、のぼせを冷まし、熱や毒素を排除し、新陳代謝を促進するなどの効能があるといわれています。

甲羅は壁飾りとして、頭蓋骨は乾燥させてネックレスなどのアクセサリーの部品として利用されることもあります。

高級食材のすっぽんは、食べられない部位も食用以外で大切に利用されてきたのですね。