すっぽんは酸性食品?それともアルカリ性食品?

酸性食品、アルカリ性食品という言葉を聞いたことはありますか?
食品を酸性かアルカリ性かの2つの分類に分け、食品が身体に与える影響を考える方法です。
美容や健康によいことで知られるすっぽんは、どちらの分類にあてはまるのでしょうか?
また、その考え方からみて、すっぽんを摂ることにはどのようなメリットがあるのでしょうか?

酸性食品とアルカリ性食品

酸性食品、アルカリ性食品は、食品に含まれているミネラルが酸性かアルカリ性かで分類されます。
食品を燃やして灰にし、水に溶かして作った水溶液のpH値(※)を計測することで、酸性食品かアルカリ性食品かが判断されます。

※pH値…酸性かアルカリ性かを判断する際に使われる測定値のこと。

酸性食品とは

酸性を示すミネラルは、塩素、リン、硫黄などで、それらが豊富な食品を酸性食品といいます。
肉、魚、卵、穀物、チーズなど、主に動物性食品が酸性食品にあたり、高たんぱくで高脂肪な食品に多いことがわかります。

アルカリ性食品とは

アルカリ性食品を示すミネラルは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどで、それらが豊富な食品をアルカリ性食品といいます。
野菜、果物、海藻、きのこなど、主に植物性食品がアルカリ性食品にあたり、低カロリーで低脂肪な食品に多いことがわかります。

健康科学では、このアルカリ性食品を摂ることが、健康維持に重要な役割を果たすとされています。

すっぽんは酸性食品?アルカリ性食品?

それでは、すっぽんは酸性食品とアルカリ性食品のどちらに当てはまるでしょうか?

ご存知の通りすっぽんは、動物性食品です。
これだけをみると、酸性食品に分類されると思われがちですが、実はすっぽんはアルカリ性食品です。
あらゆる動物の中で、すっぽんの肉だけが唯一アルカリ性であるといわれているのです。

アルカリ性食品が重要な理由

なぜアルカリ性食品を摂ることが、健康増進に役立つと考えられているのでしょうか?

まず、血液をはじめとする人の体液は、常にpH7.4程度の弱アルカリ性に保たれています。
腎臓は栄養素の代謝に伴って常に酸を作り出していますが、余分な酸は尿として体外に排出したり、酸を吸収する成分を利用して、体が酸性に傾かないようpHを調節しています。

ところが、酸性食品ばかりを摂る生活を長く続けていると、腎臓の機能が低下し、身体が酸性に傾いてしまいます。
体が酸性に傾いた状態では、免疫力が低下したり、心血管疾患、尿路結石、痛風などの生活習慣病にかかりやすくなるといわれています。

世界保健機関(WHO)も、動物性食品などのたんぱく質に含まれる酸には、骨からカルシウムを流出させ、骨密度を低下させるなどのリスクがあると報告しています。

アルカリ性食品であるすっぽんを摂るメリット

すっぽんなどのアルカリ性食品は、腎臓の負担を減らし、病気の予防に役立ちます。
肉類などの酸性食品を多く摂る食生活をしている人は、アルカリ性食品の中でも、とくにすっぽんをおすすめします。

なぜなら、すっぽんはアルカリ性食品というだけでなく、低カロリーでありながら良質な脂質を含んでいます。
すっぽんの肉に含まれる不飽和脂肪酸は、中性脂肪や悪玉コレステロールを抑制します。
一方で、牛や豚の脂質である飽和脂肪酸は、中性脂肪や悪玉コレステロールを上昇させてしまうのです。

すっぽんで酸性食品とのバランスを!

酸性食品とアルカリ性食品は、どちらかだけを多く摂ればいいというのではありません。
酸性食品を多く摂ってしまったら、すっぽんなどのアルカリ性食品を摂るよう心がけ、バランスの良い食生活を送ることが大切です。